日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2022年8月10日効率的な会議開催のためにまず行うこととは?

 

在宅勤務が一般的になり働き方改革もそれなりに浸透してきましたが、どの会社でも会議の回数は減っていないようです。多くの人が「会議ってやたら多いし無駄なものが結構あるんだよなぁ」と思われていると思います。今回は会議について私が常々考えていることをお話します。




★会議は簡単にはなくせない


皆さまは、そもそも会議の目的は何だと思われますか? 会議と言えば、「時間をかける割に何も決まらない」「形式的な報告だけで終わる」「偉い人の話を聞くだけで終わる」「意見が余り出ず誰かの一言で決まる」など、大半の人がマイナスイメージを持っているのではないでしょうか。しかし、このように誰もが意味がないと思っている会議でも、なくせるのか、と言うと、「定期的にやっていて今更やめようとは言い出せない」「なくてもいい、と言い切るほどの確信がない」「やめようと言うと会議を開いている人を非難しているようで言い出しにくい」などの理由で、なかなか、なくそう、やめよう、とは言えないのが実情でしょう。なぜこういう状況になっているのでしょうか。



★なくす判断基準が曖昧


それは、どういう会議は開催すべきでどういう会議はやめるべきか、という基準が曖昧だからです。何事を判断するにも、判断する基準が必要です。例えば、「みんなが無駄だと思っている」という理由でやめることはなかなかできないでしょう。何故ならば「無駄」という言葉が抽象的過ぎて具体的な判断基準になりにくいからです。「無駄な会議」という言葉の意味は、「何も決まらない会議」「報告だけで終わる会議」「誰も発言しようとしない会議」などが考えられます。しかし、世の中には営業会議など、報告を聞くだけの会議も沢山あります。何かを決める会議ばかりではないはずです。どうも「無駄」という言葉だけではやめる決め手にはならないようです。もっと明確な基準があるといいですね。



★会議は次のアクションを決めるために行う


私は、会議の目的は「組織として次のアクションを起こすために行う」と考えています。個人にしても組織にしても、成果は考えからは生まれず、実際に行動することによって生まれます。ですから、会議も実際の行動につながるものでないと成果には結びつきません。そう考えると、会議を行うべきか否かの判断基準は「次のアクションにつながるかどうか」ということになります。これなら何となく判断基準になりそうですね。


次のアクションにつながるかどうかの判断は、会議の目的を明確にすることで明らかになります。例えば、営業会議など、各メンバーが自分の活動を報告する会議があります。この会議の目的を仮に「予算達成に向けた進捗状況の共有と、今後の活動方針の確認」とします。各メンバーの報告の結果、予算達成が危ぶまれる状況であることがわかると、達成するために今週の目標数値を増やすことにしました。そして、増えた分の獲得施策を誰が、何を、いつまでに、どれくらい、など具体的に決めました。こういう会議なら、報告会議であっても、次のアクションにつながる会議と言えるでしょう。


また、同じ営業会議でも、その目的が「営業のノウハウを共有し、各メンバーが効率的・効果的な活動のヒントを得る」だとします。この場合、各メンバーが積極的に自身の営業ノウハウを報告し、それを他のメンバーが理解して応用できる仕組みがある会議なら、これも次のアクションにつながるでしょう。会議の目的を明確にすることで、次のアクションにつながる会議にできるのです。



★集まらなくても良い会議もある


ところで、対象者が集まって会議という形にしなくてもよいものもあります。例えば、まず反対する人がいないが形式的に決裁しておかねばならないものなどがあるでしょう。社内規程の簡単な字句修正や、重要性が高くない業務報告などがそれにあたります。こうしたものは、メール会議という形式で運営するのも一つの手段です。


働き方改革で「無駄な会議を削減しよう」という話はどの会社でも出ています。
「会議は次のアクションを起こすために行う」
この基準で改めて必要な会議かどうか見直しをされてはいかがでしょうか。

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